品質志向が将来日本企業の海外との競争力の仇となる?グローバル企業から見て思ったこと。(2)
前回からの続きです
日本の品質へのこだわりは「ハード」向き
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ソフトウェアは永遠のベータ版と言われていています。
ユーザーからのフィードバックを得て
レビューされ日々改良がなされていきます。
簡単に修正・改良ができないハードウェアの工程と
そもそもの発想が違います。
試しにやってみよう vs 石橋を叩いて「渡らない」慎重さ
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「試しにTRYしてみよう」の
米国東海岸のようなソフトウェア的な発想と
「何か起きたらいけない」と
慎重に何度も検証に検証を重ねる
ハードウェア的発想は真っ向に対立します。
日本の品質志向は
ハードウェア的発想に位置します。
慎重すぎて石橋を叩いて渡ればいいですが、
慎重すぎて石橋を叩いても、
最終的には「前例がない」と渡らないことも
多いのではないでしょうか?
ソフトウェアでビジネスが加速する顧客とそうでない顧客の差
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品質を追い求めると、
スピードがついてきません。
品質・スピードの両方が良いに越したことはないですが、
ソフトウェアはあくまでもビジネスを遂行するためのツールです。
日本人目線からすると、
気になる品質面も、
軽微なバグを受け入れつつ
”うまいこと”使うのが得策です。
例えば、ソフトウェアのある機能に不具合があった場合、
不具合にめくじらを立てても、
バージョンアップで治る頃にはその機能事態がなくなり、
全く新しい機能になっていたりするのが今日のソフトウェアです。
このスピード感でグローバルは動いています。
業務が止まるような
致命的なバグは滅多にないものです
(あったら、すかさずベンダーは対応します)
なので、小さな”気になる点”に、
時間とメンタルを割いている場合ではないです。
御社が細かいバグに工数割いて、
メンタルを消耗している間にも
要領の良い
他社様は今頃パフェでも食っています
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それって本当に御社のリソースかける問題ですか?
ソフトウェアには
正直いつも軽微なバグは存在するものです。
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スマホアプリなど、プライベートでは小さなバグにこだわらなくとも、
ビジネスの場面になると
「敵の首をとったかの如く」こだわり出す顧客もいたので
もったいないなと思っていました。
逆に、
軽微なバグはあるもの、
1年に一度使うか使わないかの機能のバグなど無視して
”うまいこと”淡々と使っている
顧客はビジネスも加速していました。
最新のソフトウェアを導入すれば「薔薇色」のはずが...
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グローバル展開実績のある
有名な海外ソフトウェアパッケージ
導入すれば薔薇色と思っていたら
そうでもない場面も多いです。
特に日本人の視点だと
先ほどから述べている、
品質面で気になってくることが出てきます。
ソフトウェアの文言表記も
ベースが海外であるため、そもそもまだ
日本語訳が微妙なところもあります。
日本市場に進出し、
数年たっているようなベンダーなら、
だいぶ翻訳品質も洗練されてきています。
一方、日本進出してから
日の浅いパッケージであれば、
日本語は諦めて、
英語で使用した方が
使いやすかったりするものです。
翻訳のみならず動作としても
明らかにおかしなところ(バグ)もちらほら見つけて気になります。
あゝ、こんなはずでは...
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パッケージ導入プロジェクトの担当部門であれば、
他の部門から
電話問い合わせがひっきりなしにきて
対応に時間を割かれます。
本番稼働直後に起こる”あるある”の光景です。
この時期はパッケージ導入を後悔する時期です。
海外ベンダー特有のことかというとそうではありません。
日本のベンダーの製品でも、
システムを刷新した直後というのは、
操作感などが以前と異なり
「昔の方が良かった」と文句を言われるのが常です。
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時間が経てばユーザーが操作を習得するのか、
諦めるのかわかりませんが
文句は自然と消えていきます。
それって二度手間ですよね?マニュアルを作っている暇と工数があったら...
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海外のソフトは日本のものと比べ、
詳細なマニュアルがないことが多いです。
iPhoneとかのマニュアルがないことを想像してもらいたいのですが、
これは直感的に操作できるように
元からデザインしているからです。
分厚いマニュアル&詳細説明に慣れている
日本企業にとっては
カルチャーショックの一つです。
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とはいえ
企業受けのソフトウェアの場合
ベンダーも全くマニュアルがないわけではないです。
簡単な操作手順マニュアルはあります。
グローバルであればあるほど、
なるべく文字(英語)は使わずに
図で手順がわかるようになっています。
なので、会社員として
就職できるような人材であれば
英語のマニュアルままでも業務はできます。
図示なので。
ところがここで
日本企業が犯しがちな過ちが
自社マニュアルの作成です
まさに「車輪の再発明」です。
それって本当に必要ですか?
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担当を3〜5人くらい指名して
自前で人員、時間もコストもかけ、
分厚いユーザーマニュアルをこしらえます。
そして、数ヶ月経って、
関係部署に配る頃には、
ソフトウェアのUpdateによりUIが大幅に刷新され、
全く使い物にならないといった
笑えない笑い話がマジで起きます。
海外ソフトはそれほどまでに
アグレッシブに進化をしていくものです。
(次回に続く)
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